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【旅記】北海道津別町

2018.10.17

今回のブログは少し長くなりますので、

お時間ある方は最後までお付き合いいただけたらありがたいです。

【旅記】と銘打ってみましたが、旅のような勉強のようなそんな2日間でした。

@koala119 のアカウントで5〜6年前からインスタグラムを利用しているのですが

2年前、うろ覚えですが確か「ものづくり補助金」に関するキーワードで

北海道のある会社さんのインスタグラム投稿を見て何気に「へー」と興味を持ったのが始まり。

 

株式会社山上木工 様  

http://yamagamimokko.co.jp/ 

@yamagamimokko

 

北海道は津別町という町で、家具製作などを手がける木工会社さんらしい。

というか津別町って聞いたことあるけれどどこかは全く知らない(苦笑)

何かコメントをさせていただいて、返信もいただいて、そんな始まりだったと思います。

インスタグラムの投稿記事を見させてもらっていると、どうやら冬はマイナス30℃の世界らしい。

そして大きな5軸加工機で木を削ったり穴を開けているらしい、ということ。

さらにさらに DMG MORI の NTX1000 という最新の複合加工機まで導入されているとのこと!

日頃、金属しか相手にしていない加工現場からすると

木を、しかも家具に使用される部品を最新のNC機で削られているということに少なからず驚き、

しかもしかも津別町の廃校になった小学校を再生し、何か夢のあることを創り上げようとされていること!

興味が惹かれるどころではなく、行けるなら行ってみたい!と思うようになっていました。

 

そんなところに ANAマイル が貯まって、一人分ですが国内線無料で乗れることが判明。

検索検索・・ 津別町の最寄り空港は女満別空港・・

中部14:00 → 女満別15:55  /  女満別16:30 → 中部18:30   よし!決まり!!空席あり!!!

ということで先週末に行ってまいりました。

あ、これは津別町を訪問する前に寄った羅臼町から見た日の出。

海の向こう、国後島(くなしりとう)です、ロシアが実効支配している北方領土。

社会の問題うんぬんは抜きにして、美しかったなーー

さてここから車で 140km 、3時間弱ほど。

ここが山上木工さんが運営する、かつての学校だったところ

TSKOOL(ツクール)  @tskool_jpn

中は自社ブランド ISUWORKS のギャラリーや、様々な木材の一枚板の展示販売など

木材の持つあたたかい雰囲気で室内はとても心地よい空間でした。

↑↑↑ かつての学校の校章だそうです、立派ですよね。

TSKOOL のカウンター後ろに誇らしげに飾られていました。

案内をしたいただいた、山上裕一朗さん。

苗字が山上ですね、そう、今後を担っていく3代目!

ギャラリーから奥のバックヤードまで隅々まで丁寧にご説明いただきました。

自社の持つ技術と経験、そこから生まれる製品。

種は違えど同じ製造業として非常に共感するところが多く、勉強になりましたが

それに加え、山上さんが考えて進んで実行していること。

地場の産業を基盤として、あるものを有効に生かし活用して、日本全国だけでなく

世界に向けて自社をアピールしていくその活動です。

廃校をギャラリーに、という話は全国でも良く耳にするのですが

会社・企業としてギャラリーを運営し、製作の作業場をする生産施設として活用している点。

そう、実は奥のまだ外観はそのままの平屋校舎は

ISUWORKS の椅子たちが組み付けられ、塗装され、ファブリックが張られる、生産現場でした。

山上さん(もう、裕一朗くんと呼んでしまおうか・笑)の今後のヴィジョンも

まずは「企業として」が基盤にあり、だからこそブレを感じさせないヴィジョンだった。

世の中にありがちな、上っ面だけの「地産地消」「地元愛」とは別物に感じました。

正直、自分は「地元愛」という考え・言葉に幾分疑問を感じていて

メディアに盛り上げられたただの茶番だ、とう考えすら持っている冷たい人間です(笑)。

裕一朗くんの今築き上げていこうとしていることは、それこそ自分の持っている理想そのもの。

いや、そのもの、と言い切ってしまうと単に感化された奴、みたいなので言い換えておこうかな。

自分の持っている理想に非常に近い考え、だと思いました。

ただもって自分の理想がきちんとした形をしていないものだから

こうして形にして動いている会社さんを見ることができてとても刺激になりました。

まず、やらなきゃ、やり始めなきゃ、ってね。

楽しかったです。はるばる来て良かった。またはるばる来たい(笑)。

山上木工さんの工場にも連れて行っていただけました。

日曜日休日というのに申し訳ありません!と思っていたのに

扉から入ると、社長様がひとり黙々と木工作業をされていました。

そうそう、これこれ。こんな製造現場大好きです。恋しちゃいますよ(笑)

CNCルーター。ま、しっかりしたマシニングです。

なんと大小合わせて 100台 という機械設備が工場内にあるのだそう。

別室には例の DMG MORI  NTX1000 が設置されていました。

椅子の脚、机の脚を綺麗な曲線に精度良く削り出すところを想像するだけでワクワクしますね。

工場内の階段や、棚などはさすが木工会社さん、ほとんど木製でした。自作されているのでしょうね。

無いものは自分たちで考え作る。そんな精神が工場内に溢れているようでした。

 

僕たちは普段、図面を与えられ、求められる精度をクリアして評価されるわけですが

自分たちで作り上げる楽しみを、仕事の中で生み出せていないとはっきり分かりました。

少なくとも自分が関わる仕事には、そんな楽しみのエッセンスを少しでも感じれるようにしたいな、と。

(突然ですが「ものづくり」って言葉は先述の地元愛と同じくメディア臭がするので苦手です)

 

12月には当社も初の展示会出展がありますが

今回の訪問で感じたことを心に置いて取り組んでいこうと思います。

締めのような締めができず、もしここまで読んでいただけた方がおみえでしたら

お詫びしなければいけませんね。長文・駄文、大変失礼致しました。

で、で、で、ですが

このハイスツールを1脚、買おうと思っています!

山上木工さんの PAPYRUS

今、当社内では椅子を排除してハイデスクを設置して、

スタンディングで、CAD / CAM 作業を行なっていますが

やはりずーーーっと立ったままでは根気のいる作業の際に大変なので

高めの椅子が欲しいなーとずっと思ってましたが、今回 TSKOOL で発見!!

規格ラインナップの中で一番高い 620mm では少し低そうなので

もしかしたら特注で 700mm 高のものを作っていただくかも、です。

こうやって広がっていくご縁、いつまでも大切にしていきたいものです。

また遠く無いうちに津別町、行くことになりそうです。